タイ東北地方ノンブアランプー県に暮らすエムオンちゃんは、現在14歳。WAFCA/WAFCATが出会った頃、学校に通ったことの無い彼女の表情には笑顔が見られませんでした。2005年、奨学金と手こぎ三輪車の寄贈を契機に、彼女の学校生活がスタートしました。そして2006年8月には学校にバリアフリートイレも完成し、ますます元気に学校に通っています。そして、今、友だちに囲まれ楽しく学校生活を送る彼女は、おしゃべりで笑顔いっぱいの女の子です。


WAFCA/WAFCATとの出会い
WAFCATがエムオンちゃんに出会ったのは、2004年10月。タイ東北地方に障がい児の調査に出かけた時のことです。簡素な木造の家に彼女を訪ねると、とても怖がって私たちに笑顔を見せることはありませんでした。
彼女は生まれつき水頭症という病気を患っています。脳内に髄液が溜まってしまうことで脳が圧迫され機能障害を生じる病気です。下半身に麻痺があり、歩くことができないため、手を使って這いながら家の中を移動していました。
この時、彼女は既に11歳でしたが、一度も学校に行ったことがありませんでした。いつも家にいて、妹の面倒をみていました。彼女のお父さんは、障がいがある彼女が、他の子どもたちに混じって学校で勉強することは難しいと考えていたようです。WAFCATとEDF(WAFCAのカウンターパート)は、周囲から一定のサポートが得られれば、彼女も学校に通うことができる、とお父さんを励ましました。
三輪車と奨学金、バリアフリートイレで就学をサポート


WAFCATとEDFは、通学をサポートする手こぎ三輪車と1年間学校に通うための奨学金、そしてバリアフリー用トイレ建設で彼女を支えることになりました。そして、2005年5月から、彼女はバーン・ノンケウ・サケウ・ヴィッタヤー学校に通い始めました。幼稚園年長組に編入し、タイ文字と数字を覚えるところからのスタートとなりましたが、多くの友達に囲まれた学校生活は、次第に、彼女が長い間忘れかけていた”笑顔”を思い出させてくれたのです。
2006年7月、小学校1年生になった彼女を学校に訪ねると、先生たちは、「エムオンちゃんは雨の日を除いて毎日、三輪車で通学している」と話してくれました。そして、「バリアフリートイレの完成が待ち遠しい。彼女がもっと快適に学校で勉強できるから」と続けました。下肢に障がいを持つ子どもたちは、しゃがんで使用するタイ式のトイレを使うことは不可能なのです。そのため、エムオンちゃんはおむつをつけて学校に通っていたのでした。
そして、8月には、念願のバリアフリートイレが完成し、彼女の一番の心配事も解決。学校を訪ねた私たちに学校での生活、家族との生活について、とってもおしゃべりに話してくれました。

彼女のニックネームは「オン」。
タイ語で「やわらかい」という意味です。そんな彼女の将来の夢は看護婦さんになること。エムオンちゃんは、やわらかい笑顔とあたたかい気持ちをもって、その夢に向かって今日も元気に学校に通っています。
2007年5月
エムオンちゃんからメッセージ


学校はノンブアランプー県にあるノンケウ・サケウ・ヴィッタヤー小学校です。車いすがあるので、学校に行けるようになりました。
そして、使い心地の良いトイレと3,000バーツの奨学金で私は勉強することができます。とてもうれしいです。
毎日、先生と学び、友達と遊ぶことができます。勉強を頑張り、良い人間になりたいです。
そして、将来は看護婦さんになりたいです。本当にありがとうございました。
エムオン・ランケウ


